石田衣良 三崎亜記 大島真寿美 橋 紡 井上荒野など
角川春樹事務所
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上質な恋愛小説だ。
節度を保ちながら、ほのかに灯る蝋燭の火のような想いを大切に囲む。
そんな消えそうで消えない大人の恋の色香が漂ってくる。
石田衣良の『フィンガーボウル』は、フレンチレストランでの男女の
恋の駆け引きを。
三崎亜記の『Enak!』は、影がない男、影が無き者との出会いから
別れを。
角田光代の『若葉の恋』は、馴染みの定食屋で出会った若者との淡い
恋心を。
物語には必ずおいしい食べ物が登場する。
そして、そこに恋のエッセンスが加わる。
クスッと笑みがこぼれるようなお話や、悔やんでも悔やみきれない
積年の想い、恋することが臆病になったことへの気づきだったり…。
大人になったからこそ味わう感情であり、体験できる想いというもの
があることに気づくのだ。
それは、恥ずかしいことではない。
閉じこもることでもない。
『オトナの片思い』は、いつでもすることができる。
扉はいつだって開いて待っている。
その扉に気づくか、気づかないかは自分次第なのだ。
もう恋なんてできないと思っていたら、どんどん入口は遠ざかっていく。
反対に恋はいつだってできると思えば…必然的にオトナの恋が舞い込んで
くるのではないだろうか。
もちろん、今の自分に見合ったものしか、転がってはこないんですけどね。
初読みの作家さんだらけだったので新鮮な感覚で読むことができました。
井上荒野さんは思っていたよりも読みやすかったですね。
もっと、入りづらい世界観なのかと思っていました。
そして、個人的には三崎亜記さんの『Enak!』にまんまとやられてしまい
ましたね。
これだけ良質な作品がある中で一際目立ち、なおかつ心に響くものが
あったのです。
あまりにも好きなテイストなので他の作品も読んでみたくなりました。
石田衣良 三崎亜記 大島真寿美 橋 紡 井上荒野など
角川春樹事務所 2009-05
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人生の教訓やヒントを本から学ぶブログです
きむら ゆういち
講談社
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きむらさんは、この『ひみつの箱』のことをボクのひみつのメモと
言っています。
たしかに、日常の中で見つけた、絵や童話を作るためのネタなので
メモには違いないのですが、ここにある言葉は、もうただのメモでは
ないですね。
ひみつの箱を開けてみたら、そこには、たくさんのキラキラした
宝石が溢れていたという感じなんです。
すでに完成された言葉たちは、それだけで独立していています。
しかも、激しく心を揺さぶる言葉ばかりがあるのです。
もうこれは、きむらゆういちの名言集といってもいいのではない
でしょうか。
好きな言葉をいくつか紹介すると…。
・失恋を恐れて一歩も踏み出せないことほど、もったいないこと
はない。
・生きることは変わっていくこと。だから相手が変わってしまった
からといって、誰も責めることはできない。
・書きたいから書くんだよ。楽しいから生きるんだよ。充実感が
あるから仕事するんだよ。
・読書は他人の心の中がのぞき見れる秘密のグッズだ。
力強い言葉や優しい言葉がたくさんあって、きむらさんの生き方や
考え方をまざまざと見せつけられます。
きっと、その人柄や一途な思いを貫く人だからこそ、『あらしのよるに』
のような物語を作ることができるのでしょうね。
きむらさんが描いた油絵も載っているのですが、文章からは窺い知る
ことができないアグレッシブな絵の数々。
あまりの違いに、まだまだきむらさんには別の顔があるのかもしれない
と思ってしまいました。
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人生の教訓やヒントを本から学ぶブログです
茂市 久美子
講談社
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つるばら村シリーズ5冊目。
つるばら村シリーズ第五弾は…なんと、はじめからずっと登場して
いる養蜂家のナオシさんが主役。
つまりは、はちみつ屋さんの物語です。
ナオシさん、くるみさんと一緒にいるときは、堅物でぶっきらぼうな
人なのかなと思っていたのですが、そんなことなかったんですね。
くるみさんと一緒の時だけ、いつもとは違う自分になってしまう
という恋心によるものだったのか。(笑)
どのお話も良いのですが、最初と最後のお話が好きですね。
毎年、春になると必ずナオシさんのところにハチミツを注文する
隈野さん。
ふるさとの笛吹き山のハチミツが恋しくなるらしいのですが、
どうやら隈野さんも都会でハチミツ屋さんをやってるらしい…。
なんとなく、なんで隈野さんが同業者なのに、わざわざナオシさんの
ところから購入しているのかはわかってしまいます。
ふんだんにヒントが出てますからね。
でも、わかっていても面白いんですよね。
気づいていても気づかないふりをする…。
あぁ、もしかしたらこのつるばら村の一連の物語は「共存」がテーマ
なのかもしれないですね。
共存・共生・共有…。
同じ場所で、共にあり続けるのだから、同じものを使うこともあるし、
同じものを食べることもあるかもしれない。
だからといって、お互いいがみ合ったり、取り合ったりする必要なんて
ないんだよ。
そんな作者のメッセージが聞こえてくるような気がしました。
さて、第六弾は何屋さんになるのかな。
次も読むのが楽しみな大好きなシリーズですね。
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いつもの鎧虫(がいちゅう)を退治する心弾ではなく、新たに
『手紙弾』を手にしたラグ。
これは手紙のこころ、想いを伝えるための弾なのだ。
ラグは、それを記憶をなくしてしまったゴーシュへ使おうとする。
ところが、手紙を書いたことがないラグにはどうやって想いを
伝えればいいのかがわからない。
手紙は空白のまま、何も書けない日々が続く…。
依頼人の絵はがきや日誌といったものに触れながら、大切な人に
想いを伝える方法をラグなりに考えるのです。
たしかに、手紙って想いを伝える最上の手段ですよね。
でも、いざ大切なことを文字にして伝えようとすると、何を書いて
いいかわからなくなったりするんですよね。
ラグの出した結論は、すごくシンプルでラグらしいなって思って
しまいます。
でも、本当に伝えたい言葉はシンプルでいいのかもしれないですね。
そうそう、この巻辺りから、シルベットの家で朝ごはんを食べて
いる同僚のザジとコナーが出てきます。
部屋を借りているラグ以外の人間がなぜ!?と思ってしまうのです
が、この二人の食欲旺盛ぶりを見ていると読んでいるこちらまで
気持ちが和んでしまいます。
シルベットもプリプリ怒っているように見えるけど、実は喜んで
いたりするんじゃないかなぁ。
そんな気がするんですよね。
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人生の教訓やヒントを本から学ぶブログです
ハニーウォーターズでの戦いが終わる。
そして、鎧虫(がいちゅう)との戦いで見えたこころの記憶から、
消息不明になったゴーシュの映像が浮かび上がる。
断片的な映像から、反政府組織「リバース」と「聖霊になれなかった者」
のキーワードは出てくるが、すべてが解明したというよりも、
解明したのは一部で、謎は更に深まった印象がありますね。
リバースは、何を求めているのか?
聖霊になれなかった者とは何なのか?
単に鎧虫とテガミバチとの戦いでは終わらない。
リバースの不気味な影が大きくなる中で、ラグはゴーシュと
再会を果たす。
しかし、それすらも始まりに過ぎないと思えてしまうのだ。
今までは、どちらかというと安心して楽しみながら読めていたの
ですが、この辺りから物語の核心に触れるので重くなってくるん
ですよね。
これは、誰にも解決できない問題なのではないか…とすら思えて
しまいます。
でも、そんな問題にもラグたちは果敢に立ち向かっていくのだろうな。
すべての出会いには、意味がある。そう信じたくなります。
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日経ナショナルジオグラフィック社
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『ぽつん』の後に、これを読むと、その違いに驚かされますね。
1匹が3匹になっただけで、全然見え方が違うんですよね。
陰と陽、悲と喜、泣と笑というくらい同じ動物でも、まったく違う
雰囲気になってしまいます。
ライオン、トラ、チーター、シロサイ、ホッキョクグマ、ダチョウ、
シチメンチョウ、ペリカン、カモメ、カンガルー、ウサギ、コアラ、
アライグマ、パンダなどなど…。
こちらもたくさんの野生動物が出てきます。
もちろん、すべて3匹。
1、2、3と並んでいると、なんだか微笑ましい絵柄になるんです
よね。
同じ動物でも、あっ、なんとなく違うというものから、いやいや、
これは合成写真というくらいそっくりな3匹もいたりします。
あぁ、これは家族だなとか、おっ、これはきっと兄弟とか、そんな
ことを勝手に想像しながら見るのも、また楽しかったりします。
動物の子どもを見るといつも思うのですが、どうしてトラとパンダ
の子どもは、こんなにかわいいんだろう。
ナショナル ジオグラフィック 日経ナショナルジオグラフィック社 2012-12-13
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人生の教訓やヒントを本から学ぶブログです
日経ナショナルジオグラフィック社
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こんな大地のただ中に、ぽつんと置き去りにされたらと思うと…。
ちょっとどころか、かなり怖い。
大自然の中にいる野生の動物たち。
ミーアキャット、オオカミ、ヘラジカ、アフリカゾウ、キリン、
フラミンゴ、シラサギ、チーター、ヒグマ、ペンギン、トナカイ
などなど、たくさんの動物たちが出てくる。
大地にぽつんとしていたり、水の中でぽつんだったり、空の中で
ぽつんというのもあったりする。
人間なら、こんな状況は嫌だって逃げ出すかもしれない。
でも、ここは彼らのフィールド。
そして、生活をする空間なのである。
だから、彼らは、ぽつんとしていても悠然といる。
何事もなく平然と、大自然の中に溶け込んでいるのだ。
あるべき姿、あるがままの姿というのは、実に格好いいのだ。
ぽつんもいいのかもしれない。
ぽつんであるが故の美学が、そこにあるのかもしれない。
ナショナル ジオグラフィック 日経ナショナルジオグラフィック社 2012-12-13
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ひすい こたろう
ディスカヴァー・トゥエンティワン
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人生を3秒で変えるものの見方、視点をしあわせ、仕事、お金、
恋愛の4つの視点から、ひすいさんがやさしく教えてくれます。
人って、今まで考えたこともないことを言われると驚いて何も
言えなくなりますよね。
なんだろう、天啓を受けたように頭に雷が落ちる感じといえば
いいのかなぁ。
うさぎと亀のおとぎ話のその後であったり、松下幸之助さんが
就職面接で聞く言葉などは、なるほどと唸らされてしまう内容
でしたね。
単純にためになるとか、役立つというものではないのですが、
そんな風に考えたことはなかったな。
そういう考え方もあるんだなと、凝り固まった思考に風穴がスポッと
開くような感覚でしたね。
他にも驚きの研究や予想もつかない言葉なんかがたくさん紹介されて
います。
衝撃的だったのは…。
普通ではないやり方で、体の凝りをほぐす方法があるという
『しあわせへの最短距離』。
モノが捨てられないことと、太りやすい体質には関係があるという
『今月中に新しいあなたになる方法』。
成功したらなにをしますか?とベンチャー企業の社長に質問した
回答を紹介した『超メジャーの法則』。
真偽のほどはわかりませんが、こういうのって、これと思うものが
あったら即真似をして取り入れてみるのが良いと思うのです。
真似てみて、良ければ継続すればいいし、合わなければやめればいい
話ですからね。
一冊読めば…なにかしら、人生の視点を変えるようなヒントに
出会えるのではないかと思います。
ひすい こたろう ディスカヴァー・トゥエンティワン 2005-08-09
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人生の教訓やヒントを本から学ぶブログです
銀色 夏生
新潮社
売り上げランキング: 557,560
夜空を見上げながら、君のことを考える。
夜は気もそぞろになる。
どんなに大切なことも、どんなに好きという気持ちも
同じように思い続けることができない。
ふとした瞬間に心が乱れる。魔が差したかのように
不安が一面に広がる。
一度、その深みにはまってしまうと、深い深い闇夜に覆われて
しまい希望の明かりすら見失ってしまう。
どんなに淋しくても、空にぽっかりと月があれば気持ちが和らぐ。
ほんのりとした柔らかさがひとつの救い。
その救いが、じんわりと広がっていくんだ。
詩には詩を…ではないですが、この詩集を読んで感じたことを
つらつら言葉にしてみました。
銀色さんの本って、好き嫌いが分かれるんですよね。
これは世界にはまれず、読んでいても感情移入できませんでした。
やはり、銀色さんの本は詩だけではなく、詩と写真が両方あるもの
が好きだなと再認識してしまいました。
でも、また時間をおいて読んでみようと思います。
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立原 道造 若林 佳子
ポプラ社
売り上げランキング: 862,556
純粋で、無垢で、心が洗われる言葉の数々。
曲がることを知らない真っ直ぐさ。
穢れを知らない純真さ。その言葉、歌はどこから生まれるの
であろうか。
真っ白な魂を持ったまま大人になったのが立原道造なのかも
しれない。
ありのままの姿がそこにあり、情景に溶け込むようにそこにいる。
24歳という若さでこの世を去った立原であるからそう思って
しまうのだろうか。
いや、そうではない。
言葉は嘘をつけない。
彼の詩は、やはり穢れのない美しい心がそのまま言葉に表れて
いるのだろう。
嫌味がなく、透明な言葉。しかし、生への想い、愛しき人への
想いは人一倍強いことがわかる。
空、水、風、木、花…自然と共に生き、自然と共にある。
立原道造という人物はそういう人だったのではないだろうか。
抗うのではなく、共にある。
どんなに風が吹こうと雨が降ろうとその場に立ち続ける、
一輪の花や一本の木のような強さを感じるのだ。
だからこそ、言葉のひとつひとつが美しい想いの欠片でできて
いるのであろう。
その想いは刹那ではない。
普遍的なのだ。
永遠に続く、嘘偽りのないものだからこそ、胸に響くのでは
ないだろうか。
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