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2012.05.16 (Wed)

あなたの中の『叶える力』を200%引き出す方法 佳川奈未

あなたの中の「叶える力」を200%引き出す方法
佳川奈未
フォレスト出版
売り上げランキング: 81310

久しぶりにこの手の自己啓発本を読んだが、久しぶりなせいかこんなこと
起こる訳ないだろうと過剰反応してしまいましたね〜。

あまりにも否定している自分に気づいたときは思わず笑ってしまいました。
自分のメンタル状態がわかって大変良かったです。(笑)

この本では、願いを叶える方法、叶える力を引き出す方法について
書かれています。
『叶える力』と表現していますが、これは引き寄せの法則であったり、
潜在意識の使い方を説明しているといった感じですね。

潜在意識のシステムを理解するには良い本だと思います。
例題を出したり、佳川さんの経験・体験談をもとに説明してくれるので
わかりやすいんですよね。

ただ、これは上級者向けの本かなって気がします。
すでにシステムを理解して、『叶える力』を使える状態になっている
ということが前提のような気がします。

佳川さんは、無一文から億万長者になったご自身の体験を「叶える力」
を使って実現したのよ的な書き方をされていますが、これが誰でもできる
というようなニュアンスで表現されている部分がどうしても読んでいて
引っかかってしまうのです。

無一文から億万長者になるまでの間には、叶える力意外のものがたくさん
あるはずなのに、そこの部分がゴッソリ抜けているんですよね。
このふたつの間は叶える力だけでは埋まらない。

もちろん、必要な条件であったり、それ以外のことも必要なニュアンスの内容も
出てくるには出てくるのです。
でも、それは叶える力の話ではないので、ここでは詳しい説明はないんですよね。

という訳で・・・。
すでに叶える準備ができている方が読むのが良い本だと思います。


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2012.05.14 (Mon)

パンドラ ねむようこ

パンドラ (Feelコミックス)
ねむ ようこ
祥伝社 (2010-08-07)

ねむようこ。以前から、ジャケが気になっていたのでレンタルして
読んでみました。

10のショートストーリーは、ドロドロしたお話もあるにも関わらず、
さらっと読み流せてしまいます。

恋愛ものが中心だけど、パンドラというタイトルにあるような
不思議系のお話もいくつかあったりして、読んでいるとドキッと
させられる物語があったりします。

涙を流す犬のお話、ケーキが大好きすぎて恋愛に失敗してしまうお話、
彼氏を共有する女たちのお話、居候を繰り返すお話などなど・・・。

「ケーキホリック」、「恋するビアンカ」が好きですね。
現実にあったらイヤだけど、読んでいるとかわいいなって
思えてしまうんですよね。

いろんなパンドラが見られるからいいのかもしれないですね。
飽きずに最後まで一気に読めるお話だと思います。


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2012.05.12 (Sat)

塩の街 有川浩

塩の街 (角川文庫)
塩の街 (角川文庫)
posted with amazlet at 12.04.26
有川 浩
角川書店(角川グループパブリッシング)
売り上げランキング: 3626

車もまったく走らず、人もまばらな東京の街。

そこに、重いリュックを背負った青年が歩いているところから、
物語が始まる。

いきなり、自分の知らない東京の街が出てきて、
背筋がゾワゾワしてしまう。

ここはどこなんだろう?

まるで異世界に連れてこられたかのような気持ち悪い感覚に
させられるのは、見知った街だからだ。

そして、その塩に晒された街で次々に起こる現象に戸惑うのだ。

気がつくと、気持ちまで攫われ、その世界から抜け出られなく
なってしまう。
閉塞され、追い詰められた世界では息をするのも苦しい。

突如として訪れた災難は、世界を崩壊させる恐ろしい凶器であった。
東京湾に巨大な白い隕石が落下し、人々が次々に塩の柱となってしまうのだ。
のちに、塩害と名付けられた災害は各地で多発し、関東圏の人口は三分の一
まで減少する異常事態となったが…。

謎の隕石が落ちてから今までの生活というのは失われる。
それどころか、突然、生と死が隣り合わせになり、いつ自分が死ぬか、
いつ自分の大切な人が塩となり死んでしまうのかも予測できない事態となる。

それは、ある意味凶器だ。
見えない凶器が目の前にあり、いつ振り下ろされるのかもわからず、
ただ怯えて暮らす。
しかも、それに対抗する術は誰も知らないとなると、日々の生活も
暗澹とするのは想像に難くない。

そんな中、主人公の真奈と秋庭は真摯に現実に向き合っていく。
嫌なことも、恐ろしいことも、何とか折り合いをつけていこうとする。

特に真奈を見ていると、いじらしくて目が離せなくなってしまう。
人がどんどん塩と化していく中で、生きるとは何か、愛とは何か、
そんな根源の意味について考えさせられるのです。

きっと、人間はどんな状況でも生きようとし、どんな過酷な状況であっても、
愛することを止めないのだろうな。
それが、希望であり、救いでもあるのだと思う。

ゾッとする世界であるけれでど、二人の絆、二人の愛から救われるものがあって、
そこから光明が射す。

ドラマチックな仕上げだが、人生って得てしてそういうものなのかもしれない。
結局は、個々の問題に終始するんだと思う。



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2012.05.10 (Thu)

恋するために生まれた 辻仁成 江國香織

恋するために生まれた
江國 香織 辻 仁成
幻冬舎
売り上げランキング: 89270

恋愛小説を書く作家二人の恋愛論が書かれたエッセイです。

恋と愛の教則本といっても良いのかもしれません。

ただ、教則本といっても、いわゆる雑誌で取り上げられる
恋愛特集のようなテイストは、そこにはない。

ここで論じられているのは、恋と愛のちがいであったり、
なぜ人間は愛に生きるのかということであったり、理想の恋、
理想の愛とは何かなどなど、各々の恋愛論を往復書簡のような
形態でやりとりをしているのです。


恋愛小説「冷静と情熱のあいだ」を読んでから、辻仁成江國香織
コラボはすごく好きで、また読んでみたいと思っていたのでうれしかった
ですね。

小説ではなくても、二人のやりとり、温度がいいなと思ってしまいます。


辻さんは、ここに書かれた恋愛論はお手本にはなりえないと断言してますが、
そんなことはないんじゃないかな。

数々の恋愛小説を描く作家さんの言葉だからこそ、本の中に散りばめられた
言葉や経験が、読み手の胸を衝くのだと思います。

たとえば、こんな言葉があります。

・恋のない愛はあるけど、愛のない恋はない

・恋をするなら冬の打ち上げ花火のような激しくも刹那に満ちた恋が
良いですし、愛ならば無償の愛が良い。

恋愛において、私は正しくないほうがいい。


他にもまだまだあるのですが、頷きながら読んだり、思わず唸ってしまったり、
ちょっと昔の恋に思いを馳せたりしてしまうのです。

経験を積んだ大人が、自己の恋愛を振り返ったり、先の選択をどうするか
迷っているときに読むと良いのかもしれません。

三十代以降の男女におすすめする恋愛指南書です。


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2012.05.08 (Tue)

にんげんだもの 相田みつを

にんげんだもの 逢 (角川文庫)
相田 みつを
角川書店
売り上げランキング: 48848

純粋、純朴、朴訥、素直・・・。

相田みつをを形容する言葉というのは多々あるのだと思う。

でも、どれをとっても完全に彼を形容してはおらず、
似て非なるものなのではと感じてしまうのだ。


すごく共感できて庶民的な人だなと思うときと、

反対に、達観していて、仙人のような人だなと思えるときと、
その差が大きいように思える。

どれが本当で、どれが嘘ということはなく、どれもが相田みつをで、
どれもが真実の姿なのだということはわかる。

だからこそ、魅力的な人であり、魅惑するように
言葉を紡ぎ出す人なのだろう。


墨で書かれた文字も好きなのですが、染色した布に書かれた文字が
すごく好きですね。

味のある字が更に魅力を増して見えるのです。


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2012.05.06 (Sun)

ね、ぼくのともだちになって! エリック・カール

ね、ぼくのともだちになって!
エリック カール
偕成社
売り上げランキング: 358844

たくさんの動物たちに、「ね、ぼくのともだちになって!」
って頼むねずみ君。

ぞうさんやきりんさんやうまさん・・・会う動物たちに
のべつまくなしに頼むわけです。

最後には、同じねずみの女の子と出会い一件落着となるのですが・・・。

単純にともだちができて良かったねといかないのが、
エリック・カール流だなって思ってしまいます。

もう一匹のねずみに出会った後に出来事も然りだし、そこまで辿り着く
過程のようなものがすべてを物語っているように思えてならないんですね。

これ、物語自体は単純だけど、いくつも隠れた意味があると思うんです。

行動を起こす大切さとか、自分の目で見て確かめることの大切さであったり、
自分で見つけて選ぶことの大切さとか・・・。

そういう部分を見ていくと、さらに面白さが増すんですよね。

ともだちって何か、自分に合う友達って誰か、どうやってともだちを作るか。

そうやって見ていくと、大人にとってもすごく深い絵本に変わると思います。


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2012.05.04 (Fri)

はらぺこあおむし エリック・カール

はらぺこあおむし
はらぺこあおむし
posted with amazlet at 12.04.26
エリック=カール
偕成社
売り上げランキング: 827

最初は、あぁ、なるほど、うんうんって読んでいて。

途中から、えっ、そんな方向にいっちゃうの?
って仰天してしまい。

最後は、なるほど、なっとくという展開で落ち着く。

あおむしが生まれてから、成長するまでの姿を描いています。

あおむしがムシャムシャ食事をしているのがわかるように
穴が空いているのが良いですよね。

こういう細工って絵本ならではだなって思うんですよね。

際限なく、どんどんどんどん食べ物を食べ尽くしてしまい、
どこまでも成長し続けるあおむしを見ていると、
どこか現代社会の風刺をしている側面もあるのかなって
思ってしまいます。

大量消費することに対する教訓めいたものが含まれているの
かもしれません。

はらぺこおむしは、いつの時代でも読める、
普遍的な絵本なんでしょうね。

どの時代の子どもたちも喜ぶような気がします。


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2012.05.02 (Wed)

君はおりこう みんな知らないけど 銀色夏生

君はおりこう みんな知らないけど (角川文庫)
銀色 夏生
角川書店
売り上げランキング: 283350


なぜか知っているような気がする。

どこかで見たことがあるような気がする景色。

いつかその想いを味わったような気がする言葉。

既視感ともとれるし、記憶の断片を掠ることで喚起される
感情ともとれる。

花も、木も、道も、雪も、家も、いつかどこかで見たような
錯覚に捕らわれる。

知っている…記憶や感情がそう意思表示するかのように
反応し始める。

あの時の記憶が、あの時の感情が生気を取り戻したかの
ように蘇る。

抉られるような痛さはない。

けれど、掠った傷はヒリヒリとした感覚を伴うんだ。

それが、得も言われぬ心地よさとなるのかもしれない。

傷も、痕も、時間が経ってしまえば、掠ることでさえも歓喜
となるのかもしれない。



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2012.04.30 (Mon)

きらきらひかる 江國香織

きらきらひかる
きらきらひかる
posted with amazlet at 12.03.31
江國 香織
新潮社
売り上げランキング: 318446

記憶はすり替えられてしまう。

そこには、透き通っていて美しい世界だけが描かれているかと思っていた。

久しぶりに読んでみて、当時の印象とは全然違うことに気づいてしまった。
昔の記憶というのは、これほどあてにならないものはないですね。
時間の経過とともに、まったく別のものへとすり替わっているのだから・・・。

ゲイの睦月とアル中の笑子が結婚をしたことが契機となり、周囲の人たちが
動き始める。
それは、まるではじめから計画されていたものであるかのように、
じわじわと真綿で首を絞めるように二人を苦しめ始める。

透明で美しいものというのは、なにものにも混じらず、どこまでも
孤高な存在なのかもしれない。
孤高であるというのは、周囲と混じることなく、関わることなく、
溶け込むことがないことが前提の状態なのではないだろうか。

本当は、純粋で染まりやすく、影響されやすいものたちであるから、
孤高であることの選択をせざるを得ないだけなような気がしてならない。

睦月と笑子と紺のことを銀のライオンと称しているところがあって、
それがまさに孤高の代名詞として使われているように思えてしまう。
そして、銀のライオンという表現があまりにも的を射ていていることが、
ひどく寂しい気持ちにさせられるのだ。

純粋すぎる想いも、痛いほどの熱い愛情も、行き場を見失ってしまうと、
途端に暴走してしまうものなのかもしれない。
純粋すぎる愛の物語、何度も読みたくなる物語です。



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2012.04.28 (Sat)

人のセックスを笑うな 山崎ナオコーラ

人のセックスを笑うな (河出文庫)
山崎 ナオコーラ
河出書房新社
売り上げランキング: 67044

ちょっと衝撃的だった。気まぐれで手にした本だったのに、
見事に心を奪われてしまったのだ。読むやすさも、親しみやすさも抜群である。
読んだ瞬間から、本の世界に入り込んでしまう。

男子学生と女教師の恋の物語なのに、ありきたりのストーリーではない。
ありきたりのお話だと、自分には決して手の届きそうにない年上のキレイな
先生に恋する的なものだと思うが、そうじゃない。

普通の、いや、どちらかというと身なりとかも気にしない感じの女性。
髪もぼさぼさで、化粧もほとんどしなくて、汚れたスモックで授業を
しちゃうような講師なのだ。

そんな女性だからこそ、絵空事ではないお話ができるのかもしれない。
なんだか、日常の当たり前の世界にいそうな二人で、どこにでもありそうな感じで、
でも、特別な感じがする恋であり、恋人たちだなって思えてしまう。

澄んだ想いと儚い未来と純粋な恋心が懐抱されたような、簡単な言葉では
言い表せないような物語である。

そして、最後の終わり方にもやられてしまう。
ここまで持ってきた心をどこに置きやれば良いのか途方に暮れてしまうのだ。


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