良薬は口に苦し 良書は心に甘し

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思いわずらうことなく愉しく生きよ 江國香織

思いわずらうことなく愉しく生きよ (光文社文庫)
江國 香織
光文社
売り上げランキング: 95,630

最後に救いがあって良かった。
こんなに息も切れないほど狂おしい江國作品はじめてだ。

読んでいて苦しかった。
ラストがああでなかったら、やり場のない気持ちは
放置されたままで、この何ともいえない感情はどこにも
逃げ場がなかったんじゃないだろうかとすら思ってしまう
ほどだった。

犬山家の長女・麻子、次女・治子、三女・育子の奔放で、
破廉恥で、愉快な三姉妹の物語である。
夫にDVをされつつも、結婚を続ける麻子。
結婚はしたくないと言い、恋と仕事に意欲を燃やす治子。
恋愛も恋人もいらないと、奔放に男と付き合う育子。

三者三様で似て非なるものと思いきや、血は争えない、
やはりこの三人は姉妹なんだなと思う場面があったり、
家族というもの、兄弟というもの、見えない何かに
つながっているものを思わず見ようとしてしまうんです。

そして、愉しさって何だろう?
そのことを常に頭におきながら物語を読み進めてしまいます。

いびつさ、ゆがみ、かたくなさ・・・。
端から見ると、愉しそうでも、幸せそうにも見えない。
苦しくて苦しくて仕方がないように見えてしまう。

けれど、それは本人たちが決めることで、
他人が決めつけることではないんですよね。
他人からはどう見えようとも、本人たちはいたってふつうで、
その世界で愉しんでいるかもしれない。
そう思うと、途端に他人視点ではなく自分視点になってくるんです。
これは一見、他人の芝生を覗いているように見えるけど、
実はそうではない。
他人の芝生を投影して、自分の芝生を覗いている・・・。
そこのパラドックスに気づくと、途端に血の気が引くように
感情の波がドドーンと押し寄せて、落ちるのです。

落ちても・・・。
その先の落としどころがきちんとしているのが江國さん。
途中で投げ出さず、最後まで読み切るのをオススメします。






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