クジラの彼 有川浩
読んでいるとニヤニヤしてしまう。
あぁ、これがみんなが言っていたベタベタで甘々の
有川ラブコメなのか。
書いているよという話は聞いていたのだが、自衛隊三部作
までは、正直そんなに甘いとは感じていなかったんです。
元々、激甘ラブコメ大好きなので。(笑)
それが、クジラの彼は来たなって思いましたね。
もう、洗礼を受けたかのように見事にハマってしまいました。
短編集なのですが、どの物語もいいんですよ。
どのお話も、糖分入れすぎっていうくらいの甘々さ加減
なんですよね。
クジラの彼の最大の特徴は本編の続きが描かれていることと、
すべて自衛隊のラブコメであること。
『海の底』で子どもたちを守り抜いた冬原が恋しちゃったり、
本編では発展しなかった夏木と望のその後の恋の話も展開
しちゃったりします。
そして、『空の中』の高巳と光稀も交際宣言した後の物語も
描かれています。
それぞれのその後が、とっても素敵な形にまとまっているのです。
本編では、主人公たちの恋の匂い、欠片みたいなものは漂って
くるのですが、それ以上の発展は期待できないなというのが
わかっているので、恋愛的要素が少ないのです。
だから、正直いうと恋愛という意味合いにおいては欲求不満のまま
物語は終結しているんですよね。
その部分を汲んで、新たに恋愛要素をギュッと濃縮して注入して
いるからクジラの彼は文句なしに大好きですね。
どんなことがあっても揺らがない愛がたっぷりあって、
その愛がてんこ盛りというくらいに、大量に盛られているのです。
読み手は、それに拒否する権利などはないのです。
ただ、このラブコメを受け入れて読むだけなのです。
思う存分甘~い気分に浸りたい方にオススメの一冊。
どのお話も大好きなのですが、個人的には冬原の恋愛を描いた
『クジラの彼』、高己と光稀の恋の行方を描いた『ファイター
パイロットの君』が好きですね。
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