良薬は口に苦し 良書は心に甘し

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駆ける少年 鷺沢萠

駆ける少年 (文春文庫)
鷺沢 萠
文藝春秋
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駆け続けなければいけない。
急かされるように、追われるように全力で疾走する者たち。
でも、永遠に駆け続けることなどできやしない。
いつかは失速し立ち止まる。
それが、意に反して否応無く訪れる様は、見ていて切ない。

「銀河の町」では、取り残された町にある飲み屋の小雪に
集まる人々の今と昔の物語を描く。
変わり果てた町と寄る年波に逆らえずにいる人と町。
歪みは、年月とともに耐えられないほどの重みとなっていく。

「駆ける少年」では、亡くなった父の痕跡を辿る内に寄るはずも
ない場所に行くこととなる。
父の知るはずもなかった過去を触れることで、忘れていた記憶が
紐解かれる。
知らないはずの過去から現在へと駆ける少年。
それは、果たして幼い頃の自分だったのだろうか…。

何かが無くなる瞬間というのは、実に切ない。
体に大きな穴がぽっかり開き、言いようのない寂しさが全身を
突き抜ける。
拠り所を失った人間は実に弱い。
触れただけで、脆く崩れてしまうガラス細工のようだ。
そして、その脅威を知っているのは誰でもない。自分自身なのだ。

曖昧だからこそ人は何事もなかったかのように生きることが
できるのかもしれない。
曖昧さがなくなり、すべてが明るみに出てしまうと、そこは
逃げ場のない脅威の場所になってしまうのではないだろうか。

自分ならどうするのか…。
答えのない問いかけをしてしまう。






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