良薬は口に苦し 良書は心に甘し

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草祭 恒川光太郎

草祭 (新潮文庫)
草祭 (新潮文庫)
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恒川 光太郎
新潮社
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いつ、どこで、何をしたか…。
ここでたしかに言えることは、ただひとつ。
すべての物語は、美奥という場所で起きたということ
だけだ。

消息を断った友人を立ち入り禁止の場所で見つけてしまう
「けものはら」。
道でたまたま会った見知らぬ男の子との出会いを描いた
「屋根しょうじょう」。

時間も行動も定かではない五篇の物語がここにはある。
共通するのは美奥という場所だけ。
登場人物の性別、年齢、職業といったものもてんでばらばら
なのだ。

そこには、曖昧で、奇妙で、残酷なものたちが転がっている。
それは、人であり、人でないものであり、判別不能なものも
紛れている。
一貫しているのは不可思議でかつ抗うことができない事象で
あることだけだ。

ホラーのような、ファンタジーのような、現実のような…。
読んでいる内に感覚が麻痺してしまい、美奥に捕らわれた
気分にさせられる。
まるで、美奥に魅せられてしまったかのように…。

人間が美奥と関わることには厳然とした規則があるように
思える。
その規則を守っていれば問題ないのだが、人はその規則を
破ってしまうことがある。
はじめは引き返すことができる程度のごく僅かな差であった
はずだ。
その差が少しずつ広がり、違和感を感じ始める頃には、
人の生き死にまでも左右するようになる。

そうなってしまうと、もはや引き返すことはできない。
人間にとっては致命的な打撃だ。
しかし、妖かしにとっては、そんなことすら瑣末で取るに
足りないことなのだ。

人間が迷いこもうが、獣だろうが、関係などない。
連綿と受け継がれる美奥の土地は、変わることなく美しく輝き
続けている。
今も昔も、まったく変わることなく、独自の循環で同じ場所に
あり続けているに違いない。






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