良薬は口に苦し 良書は心に甘し

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プリズンホテル3 冬 浅田次郎

冬 プリズンホテル(3) (プリズンホテル) (集英社文庫)
浅田 次郎
集英社
売り上げランキング: 4,578

寒い寒い冬の季節。
山奥にひっそりと佇む、任侠団体専門のプリズンホテルは、
はじめての冬を迎える。

しんしんと降り積もる雪に埋もれて客足も遠のいていた
はずだったのだが、またしても予約が入ってしまう。
しかも、いつものごとく訳ありの一般の客人ばかり…。

といっても、極道顔負けの救急救命センターのナース
「血まみれのマリア」だったり、とある事件で雲隠れを
しているドクターであったり、極道小説「仁義の黄昏」
を書く主役の木戸孝之介はもちろん、その小説家を追う
編集者の荻原みどりも登場する。

これだけでも、充分なのにまだまだ他にもキワモノが登場
してくる。
たくさんの変わった人たちが繰り広げるドタバタ劇が、
このシリーズの最大の面白さである。

しかし、第3巻では、それを覆すかのように趣向が変わる。
この物語には無縁だと思っていた「死」というものが終始
付きまとうのだ。
事故死、安楽死、病死、自殺…さまざまな死が突き付けられる。

毎日人を生かすために死闘を繰り広げるマリア、終末医療で
患者の死と向き合ってきた平岡、自分は癌で余命幾ばくもない
と思いこんでしまった仲蔵親分。

生きたいのに生きられなかった人、死にたいのに死にきれ
なかった人や、そこに介入する人々…。
まるで、プリズンホテルに人生の縮図がギュッと濃縮されて
集まっているようにすら思えてしまう。

今まで颯爽として格好良かった仲蔵親分がへなちょこで弱々しく
なってしまった姿は笑えてしまう。
深刻なやりとりが多い中で一服の清涼剤となっているが、
それだけではないんだろうな。

それは、ひとつの象徴なんだと思う。
人間の死に対する執着や欲望といったもの、死への恐怖・畏怖
といったものを親分を使って道化師的に表現しているのでは
ないだろうか。
そんな気がしてしまう。

偏屈小説家の恋の行方もこの巻では描かれているが、歪み
きっていて修正がきかない状況に追いやられていくのだ。
最後にあり得ない行動に出るところなんかは、可哀想と思う
反面どうしようもない奴だなと感じずには得ない。
それでも、主役・孝之介がいてこその物語なのだから、
これが最終巻の春へと続いていくのだろうなぁ。






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