良薬は口に苦し 良書は心に甘し

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白河夜船 吉本ばなな

白河夜船 (新潮文庫)
白河夜船 (新潮文庫)
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吉本 ばなな
新潮社
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眠ることで、すべてが完結するのであれば、それも
ありなのだろうか。

昼も夜も眠り続ける寺子。
覚醒するのは、恋人からの電話の呼び出し音だけ。
他のものは、彼女の目を覚まさせることもできない。
眠り姫のように、いつ覚めるともつかない眠りの世界
の住人となる。

しかし、その眠りは安寧をもたらすことはなかった。
次第に眠り姫の世界は、色褪せていく。
まるで、栄えていた都が、朽ちて崩れ落ちるかのような
悲しさを内包している物語なのだ。

表題作『白河夜船』を含む、3つつの物語は、登場人物も
舞台も、まったく重なる部分がないにも関わらず、リンク
したひとつの物語のように見えてしまうから不思議だ。

眠りから覚めない妻をもつ男との恋を描いた『白河夜船』。
死んだ兄の恋人たちを巡る、過去と今の物語を描いた
『夜と夜の旅人』。
男を取り合った旧知の女から虫の知らせが届く『ある体験』。

テーマは夜である。夜、眠り、休息、呪縛といったものが
絡みあって、不思議な光景を紡ぎ出す。
それは、夢の世界からの脱却であったり、悲しみの淵からの
合図であったり、すれ違いを解消するための再会であったり…。

圧倒的な夜の海の中で、もがき苦しむ姿がいとおしく感じて
しまう。
きっと、側にいたら、ギュッと抱きしめてしまうのではない
だろうか。

こういう体験は、言葉では癒やすことができない。
だからこそ、ただ側にいて抱きしめてあげる人が必要なんだ
と思う。
この物語を読んでいると、単純に時間だけが心の傷を癒やす
という言葉は嘘だというのがわかってしまいますね。






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