良薬は口に苦し 良書は心に甘し

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プリズンホテル4 春 浅田次郎

春 プリズンホテル(4) (プリズンホテル) (集英社文庫)
浅田 次郎
集英社
売り上げランキング: 43,221

極寒の冬が終わり、美しく華やかな春を迎える。
春のイメージは、やはり桜だろうか。
ここプリズンホテルにも、何百年も前から咲き続ける放免桜が
満開となり咲き誇っている。

そこに、文壇最高峰の「日本文芸大賞」にノミネートされた
作家・木戸孝之介が訪れる。
しかも、家族を連れて…。

それまでの暴力的で歪んだ性格は影を潜め、まるで聖人君子の
ような姿で現れる。
様々な苦難を乗り越え、愛に目覚め、成長したからと言えたら、
どんなに良いだろうか。
素直に喜べない不気味さ、深い闇が潜んでいるように見えて
しまうのだ。

それは、継母である富江が、突如として姿を消してしまった瞬間
から、孝之介の行動に表れてくる。
根底に隠されたものが明らかになるにつれて、今までの不可思議
な行動の謎が解かれていく。
すべて繋がった、その瞬間に見えるものがあるのだ。

シリーズ最終巻は、主役である木戸孝之介が物語の中心である。
しかし、それだけでは終わらない。
最終巻でも、一癖も二癖もある奴らが同宿する。

52年の懲役を放免された、緋桜の弥一こと小俣弥一と、なぜか
一緒に旅をすることになった会社社長の楠堀留。
役者稽古のために来た春野ふぶき・さくら親子。
そして、支配人の息子、繁の担任である三浦真一などなど。
締めにふさわしく、賑々しく華々しい舞台が幕を開ける。

終わりが近づくにつれて、頁を繰るのが惜しくなってくる。
ひとつひとつ問題が解決していき、エンディングへと向かって
いくのだ。

プリズンホテルの大団円…それは美しくも、どこか淡く切ない。
まるで、満開の放免桜のような優しさと悲しさに包まれている。
ほのかな桜の香り、舞い散る花びら、桜を嬉々として見学する
人々…。

終焉への寂しさを拭うように、仲蔵親分、緋桜の弥一らが繰り
広げる大博打のシーンが、豪快かつ爽快だった。
きっと、この物語が終わった後でも、このホテルでは従業員たち
が命をかけたもてなしをしているに違いない。
また、心を休めたいときにプリズンホテルに滞在しに来てしまう
のだろうなぁ。






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