ビブリア古書堂の事件手帖3 三上延
ビブリア古書堂の事件手帖3 ~栞子さんと消えない絆~
(メディアワークス文庫)
(メディアワークス文庫)
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アスキー・メディアワークス (2013-02-25)
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やはり、そうだったのか。
最後まで読んで思わず膝を叩いてしまった。
同じ本のタイトルで終わる。
それは、栞子の妹・文香が書いた日記である。
彼女のこと、姉の栞子のこと、バイトの五浦のこと、そしてこの絵本の
ことが綴られている。
エピローグは唐突に始まり、次からはまったく違う話になってしまう
ので、伏線なんだろうと思っていたが、話が進みエピローグに辿り着く
頃には、ことの顛末が見えてしまった。
実によくできている。
読み手に、何の疑問も抱かせず、するりと仕掛けを組み込む三上氏の技
に関心しっぱなしだ。
3巻でも、もちろん古書にまつわる謎解きが待っている。
でも、今までと違うのは、そこに必ずといっていいほど、栞子の母親
篠川智恵子の影が付きまとうのだ。
第一話、ロバート・F・ヤング『たんぽぽ娘』では、古書市場で入札
した本を盗まれたと言いがかりをつけるヒトリ書房の店主が登場する。
井上ヒトリは、明らかに母親のことを知っていて、なおかつ嫌悪すら
している感じなのだ。
また、第三話の宮澤賢治『春と修羅』では、母親の同級生である玉岡
聡子から、突然電話で呼び出しをされる。
しかも、聡子の父親もビブリア古書堂の常連であり、智恵子から『春と
修羅』を購入していたというのだ。
表面だけを追っていくと、ひとつずつ古書の謎、依頼を解決している
ように見えるが、実はすべてが伏線であり、まだまだここから恐ろしい
事実が明らかになっていくのではないかとすら思えてしまう。
まだ、間接的にしか登場していないが、母・智恵子のやり口は怖い。
人を恐がらせたり、怯えさせたり、怒らせたり…。
人を人とは思わない冷酷非情な女性に思えてならないのだ。
そして、母親の謎を残したまま終わるのかと思いきや…。
エピローグである事実が発覚し、背筋が寒くなりましたね。
そんな怖いお話も含みながらも、第二話でラブラブ坂口夫婦が登場して
和まさせてもらいました。
おしゃべりな妻・しのぶと寡黙で真面目な夫・昌志は、一見凸凹夫婦に
見えるのですが、本当に甘々な相思相愛ぶりでいいんですよね。
さて、4巻はどうなるのかな。ついに母親が登場したりするのかな。
次巻も読むのが楽しみです。
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