良薬は口に苦し 良書は心に甘し

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みじかい眠りにつく前にⅠ 真夜中に読みたい10の話

金原瑞人YAセレクション みじかい眠りにつく前にI 真夜中に読みたい10の話 (ピュアフル文庫 ん 1-10)

完全に勘違いをしていた。
この本は、夜眠りにつく前に読むと、ぐっすり眠ることができるお話なのだと思っていたのですが、まったくもって大きな勘違いでした。


ここにある物語は、深い眠りなど約束はしない。
むしろ眠れなくなってしまうのではないだろうかとすら思ってしまう。
脳が刺激され、興奮してしまい、覚醒してしまう類のお話ばかりなのだ。
だから、タイトルが『みじかい眠りにつく前に』となっているのだろう。
途中までまったく気づかず読んでいるのだから、我ながら鈍感だなと思ってしまう。

これは大人が読む、大人のための短篇集ではないのだろうか…。
表紙のかわいいイラストに騙されてはいけない。
YAセレクションとなっているが、ファンタジーの要素がある物語も、ゾクリとする怖さがあったり、現実世界の苦しかったり、逃げられない生活が描かれていたりする。

作家の選び方も至極興味深い。
有島武郎、魚住直子、江國香織、恩田陸、角田光代、寺山修司といった毛色が異なる作家の話が上手い具合に並べられている。
鷺沢萠が目当てで読んだのだか、『真夜中のタクシー』は残念ながら既読であった。

しかし、触れることができて良かったと思わせる話がたくさん載っている。
魚住直子の『おどる洗たく虫』は、昭和の匂いが哀愁漂う感じでいいし、江國香織の『十月のルネッサンス』は、やる気のない幼稚園の先生の日常が非日常へと変化する様が面白い。
梨屋アリエの『タケヤブヤケタ』は、単に転校生の少女の物語ではない。
少女たちの闇の深淵い部分が見え隠れしている様が心底怖い。

良質なアンソロジーは、一人の作家では味わうことができない旅をさせてくれる。
本を読むことで、見知らぬ町、見知らぬ世界を旅することができるのだ。
知らないことを知ることができる。
体験していないことを体験することができる。
だから、本を読むことがやめられないのだろうな。





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Comment

テルコ says... ""
こんばんはぁ

私も眠れないときに読むものだと思っていたら・・・
そんなオチだったんですね。

masaさんと同じく、知らない世界、知識など
いろんなことを体験できる読書、
やめられないですよね。

カフェのサイトありがとうございました。
masaさんはブログだけでなくサイトもつくってらっしゃるとは
すごいです。

2013.07.30 20:18 | URL | #mm.atx4o [edit]
masa says... "テルコさんへ"
テルコさん、こんばんは。

そうなんですよ。
これ、眠れないときに読むものではないんですよ。
むしろ、眠れなくなると思いますよ。(笑)

本当に、本を読む行為は知られざる世界を
見ることができるからやめられないですよね。

> カフェのサイトありがとうございました。
> masaさんはブログだけでなくサイトもつくってらっしゃるとは
> すごいです。

いえいえ、そんなことないですよ。
つい、こういうことには労力使ってしまうんですよ。(^^)
2013.08.01 18:45 | URL | #VGHpASgM [edit]

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