良薬は口に苦し 良書は心に甘し

読書ブログです。小説あり、エッセイあり、児童書や絵本、詩・写真・漫画など、ジャンルレスに紹介しています。

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

レインツリーの国 有川浩

レインツリーの国 (新潮文庫)

図書館戦争の小牧と毬江、レインツリーの伸とひとみが重なる。


図書館内乱で、小牧が毬江に勧めた本が、この『レインツリーの国』で、そこからメディアワークと新潮社のコラボ企画として、本物の本を作ってしまったというから、読者にとっては、うれしい驚きだ。

物語は、ひとみが運営する『レインツリーの国』というホームページを伸が見つけるところから始まる。
思い出の本がきっかけで、出会った二人が、メールのやりとりをしながら、お互いの気持ちを通い合わせていく。

ネットでの出会いが、リアルな出会いに発展していくのだ。

好きな本という共通項は、会話をするには絶大な効果を発する魔法のようなものだ。
障壁はないも同然で、あっという間に仲良くなってしまえる。打ち解けた二人は実際に会うことになるが…。

会った途端、それまでの順風満帆さが嘘のように風向きが変わる。
相思相愛の恋人であっても、すべてにおいて価値観が同じということはあり得ない。
互いの価値観や感覚の違いによって、衝突したり喧嘩したりするのが普通だと思う。

伸とひとみの場合は、そこに聴覚障害と健聴者の価値観の違いというものが加わる。
それは、それぞれの基盤となっている部分であり、好きだからという理由だけで、簡単に信条を変えたり、侵食したりできない領域なのだ。

見ていると歯がゆいのだが、その歯がゆさが心地よさへと変わる瞬間がある。
メールのやりとりを見ているだけで、二人の関係性が変わる分岐点のようなものがわかるのだ。

メールとは思えない言葉のやりとりは、どこか手紙のやりとりの懐かしさを思い出させる。
大切に一字一句、相手のことを思いながら言葉を紡ぐ作業は、普段なら恥ずかしくて言えないことも、素直に言ってしまえるから不思議だ。

今は、それが手紙からメールへと役割が移ったのかもしれない。
そう思うと、悲しい気持ちになるが、それは、時代とともに使用するツールが変わっただけなのかもしれませんね。




ブログランキングに参加しています。応援してくださると更新の励みになります☆

ブログランキング・にほんブログ村へ FC2ブログランキングバナー
スポンサーサイト

スポンサーサイト

*Related Entry

Post comment

管理者にだけ表示を許可する

Trackback

trackbackURL:http://goodsuccess.blog117.fc2.com/tb.php/570-349db424
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。