良薬は口に苦し 良書は心に甘し

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富者の遺言 泉正人

富者の遺言 (Sanctuary books)

『富者の遺言』…。
タイトルを見ただけでは意味がわからない。
直訳すると、『富める者からの遺言』となるのだが、ここに出てくる主人公は、富める者ではない。


起業に失敗して打ちひしがれている青年である。
その青年が、デパート前にある広場のベンチにあてどもなく座っているのだ。

何もすることなく、一人で何時間も同じ場所に座っている。
日が暮れても、家に帰ることができず冷えた体を温めるために自動販売機で飲み物を買おうとする。

しかし、そのときになってはじめて気づくのだ。
お金が10円足りないことに…。
その状況を見ていた長身の老人が10円を差し出すのだ。
「これ、良かったらお貸ししますよ」と。

ここまで、読んだ人はあることに気づくだろうか?
見ず知らずの青年に、お金を貸すなんて普通言うだろうか?
自動販売機でジュースを買うこともできない男に返すあてがあると思うだろうか?

そこを敢えて貸すとすることで、社会の話やお金の仕組み、ビジネスにおける大切なことなどをジョーカーと名乗る老人は話はじめる。

ジョーカーは謎の人物のまま話は進む。
当然、主人公である青年は、見ず知らずの老人に反感を買ったり、薄気味悪さを感じたりする。

けれども、話をしているうちに、だんだん心が打ち解けていくのである。
ふたりは広場のベンチから移動することなく、長い時間話をし続けるのだが…。

場面転換もしないままふたりの会話だけで、これだけ一人を惹きつける物語も珍しいなと思ってしまいます。
単に成功する話ではなく、借金を背負って身の置き場すらなくなった主人公というのも魅力的ですよね。

そうそう、タイトル『富者の遺言』は、物語を最後まで読めば意味がわかるので、是非手にとって読んでみてください。

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