あさきゆめみし2 大和和紀
涙、涙、涙。
人は恋をすると、これほどまでも涙を流すものなのだろうか。
それとも、恋の相手が光源氏だから、これほどまで女人たちが涙に袖を濡らすのだろうか…。
源氏の愛に気づいて葵の上は涙し、光の君に裏切られたと思い紫の上は涙する。
そして、六条御息所は恋の鬼と化したことを嘆き、光源氏を忘れることができないことに涙を流すのだ。
泣いているのは、この三人だけではない。
他にも、あまたの女たちが源氏と恋をして涙するのだ。
女も泣き、男も泣き、文を交わし、恋をして、逢瀬を交わす。
そうやって、男女の仲をつないでいくのだ…。
光源氏の女好きは、もはや生まれながらに備わった天賦の才なのではないかとすら思えてしまう。
それとも、この時代の男にとっては当たり前の行動だったのだろうか。
美しい女がいると聞けば訪れ、悲しみに暮れては女人に会いに行き、以前通ったと思えば文を遣り…。
光の君に美貌、権力、お金がなければ、ただのジゴロになってしまうが、そうはならないんですよね。
都落ちをして地位も権力を失ってもなお源氏は源氏なんですよね。
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