良薬は口に苦し 良書は心に甘し

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みずうみ よしもとばなな

みずうみ (新潮文庫)

記憶、愛情、欲望、恐怖…。
どれもが誰の心にも必ずあるものである。


それは当たり前のものなのに、それぞれの比重が偏りバランスが崩れてしまうと、ふつうの人間生活すら送ることができなくなってしまう。

異常としか思えない過度の愛情、忘れようとしても決して忘れることができない記憶、人に触れることすらできなくなってしまうような恐怖…。

それらは、生きる欲望を食い尽くす害虫のように心を蝕んでいく。

いつものよしもとばななの世界にも関わらず、主人公のちひろが恋人の中島くんに感じるように救いようがない物語なのではないかと思ってしまうのです。

それは、中島くんの背負っている過去の傷が大きすぎるからというのもあるけれど、度を超えた母の愛情であったり、過去の恐怖体験というのは誰かが手を差し伸べて救えるものではないんですよね。

時間であったり、自分の力でしか乗り越えられないものだから、なおのこと救いようがないと感じてしまうのです。

だからといって悲壮感はないし、少しずつではあるが光も射してくる。

それは、ふたりだけの世界を離れて、中島くんの友人がいるというみずうみのほとりの一軒家に出かけようとした辺りから変化するような気がします。

彼のように恐ろしい体験をして、異常な愛をもらっていると、平凡であることがどれだけ素晴らしいかということが痛いほどわかるんでしょうね。

平凡で当たり前のことを、もっと大切にしたい。
この物語を読んでいると、つくづくそう感じるのです。

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