良薬は口に苦し 良書は心に甘し

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ちいさな幸福 角田光代

ちいさな幸福 <All Small Things> (講談社文庫)

どうしてこんなにも角田光代の描く小篇はうまいのだろうか。


するりと腕の中に入る子猫のように気持ちよくて、心地よいのだ。

こんな連なりは現実に起こり得ないということはわかっている。

しかし、バトンを渡すように、次の登場人物が現れると、何かほんとうにこのやりとりが、どこかで起きているのではないかと錯覚してしまうのだ。

物語は、長谷川カヤノの「今までで一番印象に残っているデートって、どんなの?」と同僚に聞くことからはじまる。

そうして、聞く言葉は変われども次の人に同じような質問を繰り返していくことで物語が展開していく。
それはつまり、大切な人との「ちいさな幸福」の思い出を語っているに他ならない。

13の小篇はどれもわずか数頁の短いお話であるにも関わらず、実に印象的だ。

他人の恋の話やデートの思い出なんて聞きたくもないし、知りたくもないと思うかもしれませんが、ここにでてくる「ちいさな幸福」は、ただのノロケでも自慢話でもなく、どちらかというと風変わりで地味な思い出話が多いのです。

同僚、夫、部下、姪、祖母…。
それぞれが、自分にとって大切な記憶を手繰り寄せていく様子は、その人の根源を見ているようでいとおしくなってくるのです。

あとがきで角田さんが書かれているように、心に残っているのはみみっちくて、地味なデートという言葉に至極納得してしまいました。

人間って案外華やかなものだけを記憶に残している訳ではないのですね。
心の琴線に触れるものって、華やかでもなんでもないのかもしれませんね。

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