良薬は口に苦し 良書は心に甘し

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夜の公園 川上弘美

夜の公園 (中公文庫)

夜の公園には、夜のカフェが合う。
しっとりとした夜の空気に、静寂が溶けこむ。


そして、その静寂は、誰にでも平等に訪れる時間であるかのように存在している。

ただ、そこにいるだけの人。
散歩をする人。
自転車で走り回る人。デートをする人。
さまざまな人たちが、公園にはいる。

けれども、同じ時間に、同じ場所にいるというだけで、決して同化することはない。

迷える想いも、冷めた恋も、在りし日の思い出も…。
ここでは、すべてが現実とは解離したものとなる。
それぞれの想いは、散り散りに夜の闇に浮遊していく。
気がついたら、己の手を離れて、深い夜の海へと
羽ばたいていくのだ。

川上作品を読むのは、これで三作目となります。
毎回、作風も違えば、どこに主眼を置いてよいか考えてしまう作家さんで、感想を書くのも戸惑いながらです。

『夜の公園』は、申し分のない夫と25年ローンで購入したマンションに住むリリの物語です。
けれども、リリは、この申し分ない状況に満足できず、夜の公園を歩き続けるのです。

そんな夫との関係に疑問を持ちはじめたリリは、ある日、9歳年下の青年、暁(あきら)と出会うのです。
リリも、暁も、はじめあまりの温度の低さに慄いてしまいました。

人と出会うとか、恋をするという行為って、もっと劇的な感情の変化があると思っていたんですよね。
でも、こうやって登場人物を追っていくと、案外日常のありふれた生活の中に、出会いも恋も潜んでいるのかなと思ってしまいました。

でも、この温度の低さも途中から変化するんですけどね。
それぞれの視点から見ていくと、冷えきったものばかりではないことがわかります。

そうやって、ひとりひとりを追いかけていくと、全体像も変わっていくのだから…不思議ですね。

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