良薬は口に苦し 良書は心に甘し

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卒業するわたしたち 加藤千恵

卒業するわたしたち

卒業をテーマにした、13のショートストーリーが描かれている。


そして、物語の最初に短歌が添えられている。
主人公の心情を31文字で表したうたは、はじめは意味を成さない。

しかし、物語を読んだ後に、改めて読み直してみるとなるほど、そういうことだったのかと理解ができるのだ。

この憎い演出に僕は唸らされてしまった。
つい短歌というものは、意味や心情がわかりやすいものが良いと思ってしまうがそうではない。

31文字の言葉は魔法の言葉なのだ。
特にこの小説の中ではすべてといってもいいのかもしれない。

短歌はあらすじであり、主人公の悲喜こもごもの感情であり、物語の結末といっても良いような重要なキーワードが含まれている。

かといって、物語を読むまでは、その意味すら知らない訳だから、決してネタバラシにはならない。
こうやって改めて言葉にしてみると、加藤千恵という歌人の凄さがわかってもらえるのではないかと思う。

そして、もうひとつ。この短編集は卒業をテーマにしているが、学校の卒業だけをテーマにはしていない。
もちろん、中学や高校卒業を間近に控えた主人公の物語もあるのだが、これも言葉の妙でさまざまな卒業がでてくる。

教習所の卒業、片思いからの卒業、母親からの卒業…。
それぞれの卒業があって、人や物や場所から巣立つように旅立っていく。

だからなのか、うれしさだけではなく、鼻をツンとさせるような悲しさと切なさも、ここには含まれているのかもしれない。

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