良薬は口に苦し 良書は心に甘し

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熱帯安楽椅子 山田詠美

熱帯安楽椅子 (集英社文庫)

ここには夏がある。
それも、とびきり眩しくて暑い夏がある。


燦々とした太陽の光は、すべてのものを曝す。
暴力的ともいえるほどの力強さで。

容赦ない力というのは、多大な苦痛を与える。
しかし、同等に多大なる快楽をもたらす。

南の島には、悦楽と快楽しか存在しないように見えてしまう。
それは、外部の人間が見るまぼろしにすぎない。

空想上の楽園は、そこには存在しない。
あるのは現実に暮らす人々の風景なのだ。

「私」という女には男がいた。
それも、愛して止まないひとりの男がいた。
けれども、その男には妻も子供もいるのだ。

愛に溺れ、溺れたことに恐怖した私は男から逃げる。
男からも、仕事からも、日常からも…。
すべてを放り投げて、彼女は南の島であるバリに逃避行をするのだ…。

久しぶりに山田詠美の小説を手にしたが、この猛烈なまでの熱気にやられてしまった。
しかも、彼女の文章に眩暈すら覚えた。

昔は、何の気なしに読んでいたのに、今彼女の文章を読むと、その独特なまでの筆致に飲みこまれて、息をすることすら忘れてしまう。

20年以上前に書かれたものとは思えないほど、色褪せていない。
いや、色褪せないどころか、今なお新鮮で衝撃を与える作品といえるのではないだろうか…。

主人公の私のようなバリを経験することはあり得ないが、またバリ島の地に足を踏み入れたくなる。
すでに僕の周りは、バリの色や匂い、空気に埋め尽くされている。

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