あさきゆめみし6 大和和紀
『宇治十帖』編の主役は、匂兵部卿の宮と薫の中将の今をときめくふたりの男たちである。
昔を知る者たちは、ふたりを見て懐かしき人の話をする。
光源氏、紫の上、明石の御方…。
嘆いても戻ることはない人々たち。
そのことを覚えている者たちも、また一人一人といなくなってしまう。
世を疎み、出家を望む薫と、若かりし頃の源氏を彷彿とさせるようなプレイボーイぶりで、数多の女人たちを口説く匂兵部卿の宮。
匂兵部卿の宮が太陽だとすれば、薫の中将は月だろうか。
ともに輝かしいきらめきを持っているはずなのに、どこか満たされず、暗い影を落としているように見えるのだ。
そんな折、八の宮の姫君である大君に、薫は恋をしてしまう。
そして、薫の動向が気になる匂の宮も、もう一人の姫である中の君に恋をするのであるが…。
気のせいなのかもしれないですが、薫と匂の宮の関係が異様なものに思えてしまいます。
現代語訳や他の文献などもこれから追っていく予定ですが、もしやこの当時からボーイズラブ的なものというのは存在したんですかね。
どうもふたりの関係は、単なるライバル以上の妙な近しさを感じてしまいます。
あさきゆめしのおかげで、もっと源氏物語を知りたいと思うようになり、なおかつ古典作品にも触れたいと思えるようになってきました。
読書傾向が最近少し変わってきているかもしれませんね。
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