GENTE1 ~リストランテの人々~ オノ・ナツメ
先に同作者の『リストランテ・パラディーゾ』を読んでいたためか、ちょっと面喰らってしまった。
前作のつづきの物語が描かれているのかと思っていたのだが、そうではないんですね。
これは『リストランテ・パラディーゾ』から話を細部まで広げたものなんだろうなぁ。
それでも、このゆるく暖かい世界が好きなので、ふたたび彼らに出会えたことはうれしかったですね。
Wikipediaで調べたところ、リストランテ~は、GENTEの2~3巻に当たる物語なようですね。
それを読んで納得しました。
ロレンツォは、過労で倒れた妻・オルガのためにリストランテを開く。
そこは、オルガの希望をすべて叶えた楽園のような場所であるのだ。
初老の紳士を眺めるのが好きな妻のために、スタッフは老眼鏡をかけた初老の紳士をそろえる。
もちろん、店を訪れたオルガは狂喜乱舞する。
そんな私的理由から作ったにも関わらず、店はすぐにも話題になって老紳士目当ての女性客で埋めつくされていく。
やさしそうなクラウディオや無愛想なルチアーノに言い寄る女性もでてきたりするのに、ジトジトとした嫌な湿度を感じさせないのは、彼等が紳士然としているからなのでしょうね。
オノ・ナツメの描く料理を見て、おいしいと感じるわけではない。
けれども、この空間に身をたたずんでいると、みんなのおいしそうにしている姿が伝わってくるのだ。
こんな馴染みの店があったら…。
どんなに毎日が楽しいだろうか。
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